Kちゃん曰わく 「鯖石温泉!絶対迷いますから。母さんに案内云っときますよ。初めては無理ッスよ」
と云うことで、ジブリの魔女の宅急便のテーマ、ユーミンもどきですが ♪あのひとのママの車に乗ぉって〜 と頭の中で軽快に口ずさみながら、鯖石温泉に向かっています。
「先達はあらまほしきものなり」と兼好法師はのたまったけれど、た、確かにこりゃ凄い。川口探検隊気分そのものだ。何というクラックそして突然の曲がり 「あ、あの、お母さん。こ、これ道ですか?よ、よその庭と云うか、敷地内ってことは無いですよね」と言いかけたのは、 某町の案内看板に従い吉田松陰の跡を訪ねたら、モロに個人宅を通らねば行きようがない場所で、激しく怒られたと云う苦情を聞いたばかりだったからだが、相当びびっていた所、ポコッと大きな道に出た。 車が皆ビュンビュン、飛ばしてくる。(念の為一応申し上げたいのは、Kちゃんママの運転ではなく道順が、川口探検隊ぽくてびびっているのである。
Kちゃん祖母は『当時、村で免許持ってた女子は三人だけで、仙台の学校行ってた子供の所なんか車で良く行ったものさ』と云う猛者で、その娘さんが運転下手な筈ありません) 慎重な上にも慎重に、左右の車が途切れるのを見極めて、母上は一気に国道を渡った。 今度は畑道!「ここらに熊出たそうですよ」と母上。正に川口探検隊風だ!第一回目に選んだ甲斐があったです。
幸いに熊にも、畑道だから来ないでとの願いも通じ対向車にも出会う事なく、♪サルゴが行く〜。
しかし、おりゃあ!前に高速だ! 母上は慣れたモノで、左旋回ターンくるり軽業、「こんな所に高速横断のトンネルが、なる程山から降りた熊のちょうどいい道になるな」と思いきや、 「ここなんですよ」 「(え、ついた?)あのう(普通の家)?」 「皆さん驚くんですよ、そこの玄関から入ります。真っ直ぐ行っちゃダメですからね。女湯です。男はすぐ右。男湯は小さくて4人位でいっぱいなんですよ」 所在場所はともかくも、如何にもキラキラに飾って温泉を主張しているのでも、侘びさび鄙びた小屋風の湯というのでもない。ちょっと古い普通に家なのである。
さらに、なんら表示もなくて、一見さんでは躊躇って絶対入れない。
「驚きましたか?地元のひとが静かに楽しんでるんですよ。私も良く来てます。」 かくして、遠慮なく男湯へ。既にジモティおじさん二人で盛り上がってる。失礼して、本当に4人でいっぱいな湯船にしずしずと体を沈めますす。
わいはぁ、お湯が体に入って来る。き、気持ち良い〜しみる〜いい∞∞∞ お湯が隅々染み込んで、心身体中の奥の疲れと入れ替わる感じ。
川口隊長なら、何と語り何と唄うのか。「我、奥羽大鰐に、隠したき名湯に出会えり。その名は鯖石温泉とて、気高くひたすらに湯を吹き出し、人を癒やす。純真にして純粋なる名湯ここにあり」
唄うはこれっきゃ無いでしょ!! ♪ババンバ バンババン 好い湯だな好い湯だな〜 サルゴ探検隊初仕事は、こうして無事達成されたのであった。母上さまありがとうございました。
追記 余りの心地よさに湯舟にだらーっとつかていたら、おじさんから、ここの湯は、あとからも効いて効いて大変だからもう上がった方がよいと教えて頂いた。本当だった。上がった所からすぐに火照って火照って、危うく湯あたり寸前でした。筍取り帰りのお父さん、ありがとうございました。 |