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VOL.46 [2008.2.12]
金豚の貯金箱
 夕べ焼き鳥を買った。おつりを玄関に置いてある貯金箱に入れた。
 昨年の春、韓国の方からもらった金色の豚の貯金箱だ。
 その際伺ったのだが、韓国は大変な出産ラッシュになるだろうということだった。韓国や中国の人たちにとって、昨年(2007)は、極めつきに縁起の良い年回りで、この年に生まれる子供は生涯富に恵まれるからだそうだ。
 日本の私たちには猪年だが、大陸では豚、それも60年に一度の金の豚の年にあたり、よって貯金箱もすこぶる縁起の良い、金の豚シリーズが売れまくっているとの事だった。
 自分は、実は豚が大好きである。
 大きくなるとなかなかに手強いけれど、ちっちゃな時の子豚ちゃんたるや、鼻ペチャだけれど、くりくりっとした瞳、短い脚に、細いしっぽがくるっと回って、ちょこまかちょこまか走る愛嬌あふれる姿に、何ともいとおしさを覚える。
 しかしてこんなに大好きな豚さんにはすまないが、しゃぶしゃぶは豚に限る。とんかつや生姜焼きや酢豚や叉焼も好きだし、カレーも選ぶならポーク。だって、旨い。

 ところで高校生の時、本を読んでいたら、「豚児(とんじ)」という言葉が出て来た。
 “ぶたのこども”って何だろう。“めんこい”ってことかなと辞書を引いたら、「自分の子、特に息子の謙称。愚息。」とあった。
 豚の子ほど可愛いものはないと昔から思っていたので、「愚」と同じ意味ということにすごく反発を覚えた。
 だからこそ昨年、豚年は縁起が良いのだと大陸の方で評価されていることに、なかなかに溜飲が下がる思いがした。

 もし可能なら、ペットにしたいのは、断然子豚だ。
 豚は大変に寂しがりやらしい。しかも、自分と人間との友情と愛情を確信していて、夜、玄関の扉の前でじっと泣きぬれて帰りを待っていてくれて、扉が開くや「ぶひぃー」と全力ジャンプで、だっこだっこと熱烈愛の毎日らしいと聞く。
 そんな情景にすごく憧れる。だって、豚児にも豚娘にも豚妻にも、そんな濃いことなど期待できない。
 ただ、百キロにもなられては、ジャンプキックでこちらは骨折だし、散歩も運動もどうしようもないから、ミニ豚がいい。
 しかし本気で調べたところ、ミニでも相当大きく重く50にキロにもなるらしいので、厳しいと思う。
 で、ふと、10キロくらいのミニミニ豚があったらと思ったけれど、座敷豚(奥さんごめんなさい、言葉のアヤです。)に、「そんなの誰が面倒みるのよ」と一蹴されることは、叉焼を見るより(火を見るより)明らかだと、直ちに断念した。
 ま、憧れだけにしておく方がいいのだろう。何たって、食べるのも好きという二律背反をアウフヘーベンできるとは、到底思えない。
三村 申吾

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